週刊代々木忠
いまこの瞬間の代々木忠の想いが綴られる
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第160回 ありがとう
ロフトのイベントで話したことだが、原発事故の議事録がないなんて、あいた口がふさがらない。福島第一原発の事故、その対応の中心となったのが、政府の「原子力災害対策本部」。この対策本部は、当時、菅総理が本部長、海江田経済産業相が副本部長を務める、いわば事故対策の最高決定機関。たとえば水素爆発があったとか、それを住民はじめ国民にどう告知するのかとか、避難方法とか、今後の原子炉の危険性や放射能分布予測は……といったことが話し合われたはずである。
ところが、公文書管理法で定められているにもかかわらず、「その記録は取っていませんでした」と。理由は「事故発生後の緊急事態とはいえ、(手続きが)整えられてなかった」そうである。つまり「急だったんで、それどころじゃありませんでした」と。小学生だって、もうちょっとマシな言い訳をするだろう。実際、ボイスレコーダーがその場に1台もなかったなんて考えられないと、あるジャーナリストは指摘している。仮に公式のレコーダーを忘れたとしても、出席する官僚たちはのちのち自分がマズイ立場に立たないように必ずボイスレコーダーで記録を残す習性があるのだそうだ。
しかもこの事実は、公共放送であるNHKが今年1月24日になって報道した。各マスメディアはそのあと右へならえで、僕の知るかぎり追及らしい追及もしていない。日本の記者クラブは「報道」機関というよりも、政府の「広報」機関だと世界のジャーナリストたちからは見られている。たしかに骨のある記者は記者クラブから外されている。
本当は議事録を取り忘れたんじゃなくて、ないことにしなきゃいけなかった「理由」があるんだろう、というのが、ほとんどの人の感じ方だと思うのだが、どうだろう。ただ、事実はヤブの中なのだけど。
そんな思いが強くあったなかでの、第2回目のロフトイベントだった。まず女性の多さに驚いた。去年のイベントでも女性は多かったけれど、今回、女性の比率はさらに上がっている。面接軍団のファンということもあるだろうが、男性以上に女性は、地に足のついたところで現実を受けとめる傾向があると僕は思う。チャリティーイベントということで喜んで参加してくれた人も多かったはずだ。会場で会ったたくさんの女性たちから「こんなイベントをしてくれて、ありがとうございます」と声をかけられた。お礼を言わなければいけないのは、本当は僕のほうなのに……。
また、印象深かったのは「目を見て初めてイケました」と報告してくれた女性が2人いらっしゃったことだ。しかも、そのうち1人は「涙が止まりませんでした」とも言い添えられた。このブログでも繰り返し言いつづけてきたことだが、その言葉を信じて実行され、つながり溶け合う経験をされた人がいたという事実。たった2人ではあるけれど、限られた人数のなかでの2人は、けっして小さな数字ではないと思う。
「イケた」報告のみならず、こうしたイベントでは、ふだんはなかなか会えない、いろいろな方の生の声を直接聴けるのがうれしい。去年もそうだが、今回も、みんなあたたかな人たちだった。もはや無能な政府に期待はできないけれど、みんなが元気になれるようなイベントがまた開ければ、と思っている。
テーマ :
日記
ジャンル :
アダルト
2012-03-16(00:00) :
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