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第262回 異次元への入口

 2年ほど前、脳を研究している著名な大学教授に手紙を出した。そのわけは“目に見えない世界”が脳の研究によってどこまで明らかになったのか教えてもらいたかったからである。

 セックスのチャネリングでは、たとえば一人がオーガズムを迎えると、同じ部屋にいる別の女の子が、誰も何もしていないにもかかわらず、一緒にイッてしまうことがたびたび起きた。二十数年前は、なぜそうなるのかわからない。「ヤラセだ」「オカルトだ」と叩かれもした。

 以前も書いたが、今ならこのチャネリングは「ミラーニューロン」である程度の説明がつく。セックスで感じている子の脳と同じところが、見ている子もミラーニューロンによって発火する。ただし、その場にいる全員がそうなってしまわないのは、触覚や痛覚のセンサー(受容体)が自分の体に起こったことではないと教えているからである。ところが、トランス状態にいる者にとっては、自他の境界がない。だからチャネリング(同調)してしまう。

 とはいえ、なかにはミラーニューロンで説明のつかないケースも発生した。チャネリングは同室に限らず、たとえばヒルトンホテルの端と端の部屋でも起きたからである。一室の音声がもう一室に聞こえることはないし、もちろん見えるはずもない。では、なぜミラーニューロンは反応したのか? もしミラーニューロンでないとしたら、いったい脳のどこが何を受け止めていたのだろう?

 僕が手紙を出した教授の大学には、そのメカニズムが解明できそうなMRIやその他の機器があると聞いた。現時点では解明されていなくても、それらの装置を使って厳密にチャネリング(同調)の実験をすれば、あるいはミラーニューロン以上の発見もあるのではないか……と僕は考えていた。結果は、残念ながら門前払いだったけれど。

 前段が長くなったが、ここで前回紹介したNHKスペシャルの「超常現象 科学者たちの挑戦」である。1つめはワシントン大学で行なわれた、fMRIに入ったAさんと、別室にて点滅画像を見ていたBさんの同調実験。もう一組の友人同士も加えて、4人の視覚野の活動を示すグラフからは、同期がはっきり見て取れた。だが、同期が認められても、なぜそうなるのかまでは言及されていない。

 つづけて、砂漠における乱数発生器を使った実験。7万人の人々が最高潮に盛り上がったとき、量子によってのみコントロールされるはずの乱数発生器に異常が起きる。人間の意識は人間のみならず、量子にも影響を与え得るという推論。量子同士が空間を超えて瞬間的に影響し合う「量子もつれ」も引き合いに出され、今後は量子論によって謎が解明されるのではないかというところで番組は終わっている。

 僕はヒルトンでのチャネリングにおいて、視覚でも聴覚でも感じ取れない何かが飛んできているはずだと思った。そして、それを脳のどこで受け取っているのか、ずっと知りたかった。もしも、ここが発火してるよというのがわかれば、病気の見方も人が幸せになる方法論も、また新たな視点が出てくるはずだと思ったのだ。

 人の目には見えない、音として聞こえない、雰囲気としてさえ感じないけれど、そういうものの影響を体が確実に受けているとなれば、代替医療(スピリチュアル・ヒーリングやサイキック・ヒーリングなど)は単なるオカルトではなくなり、医療体制が抜本的に変わってゆくはずだ。医療に限らず、日常生活における人と人とのつきあい方全般も変わってゆくだろう。

 それはそうと、2つの実験を見ていて疑問に思ったこともあった。たとえば最初の実験で、点滅画像を見ていないのに視覚野周辺が変化したAさんに、もし僕なら「どうだった?」「なにか見えたの?」「そのときはどんな感じ?」といろいろ訊いたに違いない。しかし、番組でインタビューシーンはない。これはもともとしなかったのか、あるいは、したけれど「見えなかった」とか「何も感じなかった」と視覚野の変化を裏づけるようなコメントが取れなかったから落としたのか……それはわからない。

 実験を始めるとき、研究者は「実験中はお互い相手のことを意識するように」と言っている。これは僕がチャネリングを撮る際にも、じつは重要なポイントである。相手を意識させるために、場合によっては撮影前夜、当事者の女の子2人にレズまでしてもらうくらいだ。互いを肯定的に意識することによって、人間同士でも「量子もつれ」が起きるのだと僕は思っている。

 不遜な言い方だが、研究者が互いに意識させることの重要性をわかっているのなら、どうしてAさんをトランスに入れて、もう一度同じ実験をしなかったのだろうと思う。覚醒しているとき、自分に起きた変化は表の意識に上がってこないことが多い。ところがトランスに入っていれば、変化を本人が意識できる。もっといえば、わが身に起きたこととして体感できるだろう。

 トランスとは、思考の縛りから解放されることである。催眠や呼吸法によってトランスへと誘導できる。だが、それこそ我を忘れて何かに没頭したり熱中したとき、人はトランスに入ることがある。2つ目の砂漠の実験で、7万もの群衆が巨人像炎上に熱狂したとき、多くの人々がトランス状態だったはずだと思う。

 目に見えない何かを人は発しているのか? 人の意識は空間を超えてつながるのか? それらを解くカギはトランスにある。科学が“異次元への入口”を解き明かしてくれれば、世の中は今よりずっと面白くなる。




Aito-sei-long

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第261回 人の意識は空間を超えてつながるのか!?

 他者を同調させるばかりか、精密機械や電子機器にまで影響を与える、目に見えない何かを人は発している――というのが、前回の話である。それに関連すると僕は思うのだが、先月(3月22日)に放送されたNHKスペシャル「超常現象 科学者たちの挑戦」の中でこんな話があった。

 1つは、アメリカのワシントン大学での実験。脳の活動を精密にとらえる装置にfMRIというものがある。まずAさんがfMRIの中に入り、外部からの刺激がない状態に置かれる。そして友人のBさんには別室で5分間画面を見続けてもらう。その画面には激しく点滅する映像が不規則な間隔で映し出される。これは脳へ断続的に強い刺激を与える仕掛けだが、fMRIの中にいるAさんには当然ながらその様子はわからない。実験中は「お互い相手のことを意識するように」と言われている。

 Bさんが点滅画像を見始めると、Aさんの脳に変化が現われる。そしてBさんが点滅画像を見終わると、Aさんの脳活動も元に戻る。もう一度やっても同じ結果だった。Aさんの脳で変化が起こっていたのは、脳の後ろにある視覚野といわれるところだ。視覚野は目で見た刺激を処理する。fMRIの中にいたAさんは、目からの刺激がない状態にもかかわらず、視覚野の周辺で変化が起きていたのである。

 この同調というか同期は「たまたま」の可能性もあるということで、次にはAさんとBさんが入れ替わり、さらにはもう一組別の友人同士でも、同じ実験を行なった。結果、合計4人の視覚野の活動を示すグラフからは、同期がはっきり見て取れたというのだ。

 同番組では、別の研究者による次のような実験も紹介された。場所はアメリカのネバダ州。昨年夏、灼熱の砂漠で行なわれたバーニングマンというイベントには7万人もの人々が集まった。毎年このイベントのクライマックスでは、会場の中央に立つ巨人像が燃やされるという。そこで、7万の参加者が最高潮に盛り上がるその瞬間を利用して、人間の意識に未知のパワーがあるのか否かを探ろうという実験である。

 ここで使われる装置は乱数発生器といわれるもの。乱数発生器は数字の「0」と「1」をアトランダムに発生させる電子装置で、「0」と「1」が発生する確率がちょうど半々になるように設計されている。さらに電子回路は電磁波などを遮断するカバーで覆われているので、外部からの影響は受けないのだそうだ。

 ところが、それほどまでに精密な装置が人間の意識に呼応するかのような異常を示したことがある。それは9.11、アメリカ同時多発テロのときだった。世界に報じられた悲劇と同調するかのように、世界40カ所に設置されていた乱数発生器の「0」と「1」の現われ方が大きく偏ったというのである。

 だがこれは、テロが起こり、それが報道されることで、携帯電話やテレビがいっせいに使用されたことによる電波などのせいではないかという指摘もあった。そこで、今回は電波の通じない砂漠の真ん中で実験してみようというわけだ。巨人像を燃やす夜、果たして乱数発生器に異常は起きるのか?

 会場には6台の乱数発生器が設置された。いよいよ巨人像の腕が上がりはじめる。これが燃やす合図である。このときから「0」と「1」の現われ方が大きく偏るという異常が起きている。

 そもそもこの乱数発生器は量子の働きを利用している。量子とはあらゆる物質をとことん分解した末に辿り突く最も小さな粒子のこと。だから人間の体も、つきつめれば量子でできていることになる。乱数発生器に話を戻すと、その回路に量子の動きを遮る壁があり、量子はこの壁をあるときは通り抜け、あるときは跳ね返される。そこで壁を調節し、すり抜ける確率がちょうど2分の1になるように設定する。壁に跳ね返されたときが「0」、すり抜けたときが「1」である。外部からの影響を受けず、量子によってのみコントロールされるはずの乱数発生器。それが影響を受けたということは、つまり人間の意識が量子に作用したと考えられるのである。

 番組では続けて「量子もつれ」と呼ばれる現象を紹介する。2つの量子をぶつけると、つねにお互いに影響を及ぼし合う特別な状態になる。この状態で一方の量子に何らかの刺激を与えると、瞬時にもう一方の量子にもその影響が及ぶ。しかも、この関係は2つの量子がどんなに離れても変わらない。いわば量子同士が空間を超えて瞬間的に影響し合うのだ。そんな同期現象が、量子の世界ではすでに自明となっている。

 さて、このNHKスペシャルを見て、僕はどう思ったか。それを記すつもりだったが、ずいぶん長くなってしまったので(これでも番組の一部だけれど)、僕の感想は次回ということで。





Aito-sei-long

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第260回 何かが出ている!?

 今から二十数年前、「チャネリングFUCK」シリーズを撮っていた頃、テレビのとある深夜番組が興味本位にこれを取り上げた。

 スタジオには雛壇が設けられ、そこには一般の人たちが20人くらい座っていた。視聴者参加番組の一種である。この人たちが見ている前で、チャネリングセックスを実演してみせるという企画なのだ。

 この雛壇の中へ、僕はチャネリングに反応できる女の子を1人潜り込ませていた。実演が始まって、その子がチャネリングするのは当たり前なんだけど、まわりの何人かも反応しはじめた。そればかりか、自宅で番組を見ていた人たちのなかにも反応する人が出てきたのがのちにわかる。

 翌日の新聞には「公共の電波を使って、あんなことをやって」という批判記事が載った。記事によれば、ある百貨店に勤めている人の2階でドーンと音がするので見に行ったら、娘さんの様子が変で、つけっぱなしのテレビにはこの番組が流れていたということらしい。

 放送したテレビ局と対抗している局系列の新聞社だったので、ちょっと作為を感じないでもない。でも、番組放送中から放送後まで、スタンバッていた電話オペレーターたちが受け切れないくらい電話がかかってきたのだから、似たようなことは確かにそこかしこで起きていたのかもしれない。

 それはともかく、番組の裏側では、これとは別のあることが起きていた。当時、ビデオ雑誌を中心にレギュラーを何本も持っていた編集者兼ライターの東ノボルが取材に来ていた。彼のスチールカメラが番組の途中で壊れたのである。機械に故障はつきものだ。だから、それ自体はべつに驚くようなことではない。だが、後日修理に出すと「電磁波の強いところに長時間置いてたんじゃないですか」と言われたそうである。

 似たようなことは他にもあった。「BOMB TRIP PARADISE」という催眠誘導の入ったCDをリリースしたときのこと。このCDは「トランスに入って音楽を楽しもうよ」というのが主旨なので、プロモーションとしては、マスコミ関係者を呼び、自ら体験してもらうのがいいだろうという話になった。ところが、プロモーション当日、会場の人たちがトランス状態になると、なぜかCDが止まった。何度やっても同じような状況のところでCDは止まってしまう。CDやデッキに問題がないのは事前に確認していたにもかかわらず。

 そして「チャネリング」シリーズの現場では、いろんなノイズがたびたび発生した。濡れ場を前に僕が本当に興奮してしまったときには、英語圏のラジオ放送を受信してしまうことさえあった。それまで集音域の狭い外部マイクを使っていたのだが、あるとき内蔵マイクだとそれが起きないとわかり、それ以降は外部マイクをいっさい使わなくなった。外部マイクは内蔵マイクと違って、接続部分が剥き出しになっている。そこが影響を受けるんだろうかと、スタッフたちと話したものである。

 ひとつだけなら「たまたま」で済むし、不思議ではないけれど、いくつも重なってくると、これらの状況に共通しているものを知りたくなる。

 テレビスタジオでのチャネリングの実演、「BOMB TRIP PARADISE」のプロモーション、「チャネリング」シリーズの撮影現場。これらに共通しているのはトランス状態だ。人がトランス状態になったとき、科学では説明できない現象が起きる。それが1人や2人なら大したことはないけれど、大人数になると、与える影響は人にとどまらず精密機械や電子機器にまで及ぶ。

 また代々木のスピリチュアルな話かと思う人もいるかもしれない。だが、先日見たNHKスペシャルで興味深い科学者たちのアプローチを紹介していた。詳しくは次回書こうと思う。






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第259回 散りぎわの美学

 都内の桜はこの土日がきっと最後の見頃だろう。花見のシーズンがやってくると、思い出す出来事がある。といっても、桜にまつわる話ではないのだが。

 まだ小学校の低学年のころだ。僕は父方の祖父母の家に預けられていた。祖父が大工の棟梁だったこともあり、いくつも部屋のある家だった。

 その人は3畳間に下宿していた。僕の父と同じくらいの年恰好だが、何の仕事をしていたのかは覚えていない。覚えているのは、彼が剣道の達人であり、隣町の道場まで教えに行っていたことと、僕が見かけるときは決まって庭先で素振りをしていたことだ。父は僕に厳しくあたったけれど、彼はいつもやさしく、僕にとってはある意味、父以上の存在だった。

 その彼がある日、「花火を見につれてってやる」と言う。家の近くを流れる紫川が海に流れ込むあたりまで2人して出かけていった。大輪の花火が夜空に打ち上げられるのを、僕は息を飲んで見上げていた。ふいに彼が言った。「どう?」。「きれい!」と幼い僕は答えた。「きれいなだけかい?」。結局、僕は答えが出てこなかった。

 答えられなかったという事実が、ずっと僕の中に残った。成人した十数年後、実際に花火を見ていたときか否かは定かでないものの、「ああ、きれいだけど、儚(はかな)いんだよなぁ……」と思った。

 ふだん花にはとりわけ関心がなくとも、桜だけは別という人は多いはずだ。代表格であるソメイヨシノは種子では増えず、増やそうとすれば接ぎ木しかないと言われている。つまり、今あるソメイヨシノに親・子・孫はなく、そのほとんどがクローンだと言うのである。だから、同じ場所の木々は一斉に咲きはじめ、一斉に散りはじめる。

 満開からたった1週間で花吹雪。多くの人々に愛(め)でられ、惜しまれながら、白とピンクのあいだの淡い色が風に舞う。

 もうちょっと見ていられたらと、つい考えてしまうのは人間の悪いクセで、何かに執着している限り、次はやってこない。桜は人間のそんな思いをよそに、散ったあと、あっと言う間に新緑を纏(まと)い、日を追うごとに大きく深い緑色へと成長してゆく。夏はもうすぐそこまで来ているよと言わんばかりに。




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