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第328回 総理大臣の呼吸法


 「4-7-8」なる呼吸法が話題になっている。ハーバード大学出身のアンドルー・ワイル博士が20年前に提唱したこの呼吸法は、「4秒鼻から息を吸い」「7秒止めて」「8秒で口から息を吐く」というものだ。最近になって週刊誌やネットで頻繁に紹介されたきっかけとしては、先月とある懇親会で安倍総理が「私は『4-7-8呼吸法』をやっていて、これをやると気分が落ち着く」と言ったからとか……。

 これまで僕は何度も呼吸法の話を書いてきた。「深い腹式呼吸は6秒口から吐き、4秒鼻から吸う」と。まず吐くことから始めるのは、吐き切れば自然と吸うからであり、呼吸法では吐くことこそが肝心というのも書いた。「4-7-8呼吸法」は、吸うことから始まっているものの、まず事前に吐き切ったあとに4秒吸うという意味らしいので、ここは同じと言ってもいいだろう。吐く時間が6秒ではなく8秒だが、これも要は吐き切ることが大切であり、初めてやる人は吸う4秒に対して6秒くらいがちょうど吐きやすいだろうと思うが、8秒吐きつづけられるのならそれに越したことはない。けれども、僕にわからないのは、7秒止めるというところである。

 なぜ息を止めるのか? 現代人は無意識のうちに呼吸が浅くなり、悩んだり何か考え事をしているときに息を止めていることさえあるから、意識的な呼吸、つまり呼吸法が必要なのだと思う。それなのに、意識的な呼吸でわざわざ息を止める理由はいったい何なのか? 息を止めれば血圧も上がってしまうだろう。7秒といったら、けっこうな時間である。ネットの記事の中には〈7秒息を止めることで酸素が血流に影響を与える時間ができる〉と書かれたものも見かけたが、説得力に欠けるのではないだろうか。

 僕がいま毎日実行している深い腹式呼吸法は(とりあえず吐いたあとに吸うところから書けば)、1から4まで吸い、5で手放すが横隔膜は下がったままでキープする。ただし吸ってはいないから、めいっぱい吸い込んだ空気はわずかずつ漏れはじめる。そうした状態を6、7、8、9と維持し、10で横隔膜のキープを緩め(横隔膜が上がってくる)、11、12で腹筋を絞りつつ完全に吐き切るというものである。これは4吸うのに対して、漏れているところも含めて吐くが8という、1:2になっている。

 僕がこの歳までビデオを撮ってこられたのは、呼吸法を続けてきたことが大きな一因と言える。だから、ことあるごとに、みなさんにもオススメしてきた。安倍総理は「呼吸法で落ち着く」と言っていたけれど、安倍さんに限らず、政治家たちはみんな呼吸法を実践すればいいのにと僕などは思ってしまう。呼吸法を続けていれば、本来の自分を曲げてでも腹の底に溜め込んだものが自然と外へ出てくるようになる。それは言い方を換えれば、本来の気づきである。そうして人は本当の自分を取り戻すことができるのだと思う。本当の自分になれば、たとえば新たな法案について考える際、党内右へならえで保身に走る必要もないだろうし、大国の前に言いなりになる必要もないはずである。









Aito-sei-long

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