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第315回 水平目線


 先月撮った「ようこそ催淫(アブナイ)世界へ」では、「ザ・面接VOL.145」に出た3人の女の子をキャスティングした。そのうちの1人が前回の話「平成生まれの女の子2」で書いた子である。彼女が25歳、ほかの2人は28歳と30歳。ほぼ同世代だ。

 編集で割愛した部分だが、3人がそろったところで僕は彼女たちにインタビューを試みた。3人とも「ザ・面接」の同じ回に出ているから、面接軍団のなかで「今、誰と一番してみたいか?」と。彼女たちがあげたのは、佐川銀次と森林原人だった。

 面接軍団にあってよく「親子」と言われる2人だが、彼らが選ばれたのは十中八九顔ではない。2人はオチンチンが大きいけれど、おそらくそれが第一の理由でもないだろう。

 というのも、1人の子は銀ちゃんを評して「目がきれい」と言う。これまでの「ザ・面接」の現場でも、銀ちゃんの目を褒める子は多い。すかさず軍団からは「この目のどこがきれいなんだよ!」とか「濁っとるわい!」とか、ボロクソに言われるのだが、もちろんそれは眼球そのものがどうこうという話ではない。

 銀ちゃんは必ず女の子の目を見てセックスする。それは相手の感情と共鳴する術でもある。観察されているわけではなく、もちろん見下されているわけでもない、つながりたいという目。そんな目を女の子たちは「きれい」とか「かわいい」と表現する。

 目を見てするのは森くんも同様だが、若いだけに彼はオスとしてのパワーも併せ持っている。彼は今「女子SPA!」というサイトで「性活相談」を担当している。僕も読んでいて「なるほどなぁ」と思わず感心する。現場でじかに女性とふれ合っているからこそ、ここまでわかるんだろうなぁと。

 そんな彼も、このまま男優を続けていくのか別の道を歩むのか、迷っていた時期があった。「ザ・面接」に出た初期の頃だ。いつまでも続けられる職業じゃないし……と考えていたのかもしれない。実際、途中で消えていった先輩たちをたくさん見てきたことだろう。

 もちろん現場で見る今の森くんに迷いは微塵も感じない。彼は女の子と接するとき、上から目線でもなければ、下から目線でもない。セックスが始まれば相手次第で攻めも受けもできるけれど、最初は必ず水平目線で、彼は女の子に向き合っていく。相手を見下すことなく、かといって媚を売ったりもしないニュートラルな目線でなければ、本来、人と人は向き合えないのである。

 けれども、相手もニュートラルかといえば、そうとは限らない。「ザ・面接」の20周年版を編集していると、森くんや銀ちゃんが相手だとわかった途端、あからさまに失望を顔に出す子がいるのが見て取れる。彼らはこれまで何千人という女性を相手にしてきて、そんな屈辱的な思いも少なからず味わってきたはずだ。

 でも、彼らは「オレはそこで勝負してねえんだよ」と前を向く。セックスでは人間性が反映される。萎えず、腐らず、偽らず、素の自分を出せたときに、伝わる相手にはそれが伝わる。もちろん伝わらない子もなかにはいるけれど。

 冒頭で書いた3人の女の子は全員が「ザ・面接」で銀ちゃんや森くんとセックスしたわけではない。でも、見ていただけで「抱かれたい」と思わせてしまう魅力を彼らは確かに発していたのである。




(*「週刊代々木忠」は2週間お休みをいただきます。次に読んでいただけるのは7月3日になります)









Aito-sei-long

第314回 平成生まれの女の子2


 半年前、「平成生まれの女の子」という話を書いた。今回は現場で出会った、また別の子の話である。

 事前の監督面接で催淫CDを聴かせたところ、彼女の反応は悪くなかった。「お願い、入れて!」という言葉が出てきて、軽くイッてもいるようだ。反応がイマイチの子だったら、セックスについてレクチャーすることもあるけれど、彼女には必要ないだろうと思った。

 ただ、プロデューサーの資料には、これまでの体験人数が130~140人とある。25歳にしては多い。そして、恋人はなかなかできないらしい。「セックスのとき、目を見てしてる?」と訊いたら「えっ、目を見るの!?」と言うので、性体験が多いのに恋人ができない現状に絡めて、目合(まぐわい)の重要性を話した。

 事前面接も終わって、「じゃあ、現場で」と立ち上がると、「監督、しないの?」と意外そうに言う。面白いことを言う子だなと思った。彼女は「歯ブラシもちゃんと持ってきてるし」とバッグから出して見せてくれた。

 催淫CDを聴き終えて「もう我慢できない!」と抱きついてくる子ならいる。さんざん欲情させるだけさせておいて、わざと満たさないままCDが終わってしまうからだ。だが、歯ブラシを持っていこうと彼女が思ったのは、そのずっと前。催淫CDを聴いたからではない。

 その後、出演した「ザ・面接」でもこんな場面があった。面接官2人に挟まれて、彼女は市原の質問に答えている。敏感指数を訊かれれば「ふつうの人が100だとしたら、私は120かなぁ」とか……。ひとしきり話が終わって「とりあえずやってみようや! 声うるさい?」と訊く市原に対して、「やってみる?」と彼女。

 事前面接から感じていたことだが、彼女はほとんどタメ口である。僕に対しても、市原に対しても。だからといって、とくべつ不快というわけでもない。なぜだろう。話し方も内容も軽いがゆえに、そこに賢(さか)しらな何かを感じないからだろうか。

 軽いといえば、半年前に書いた平成生まれの子も、「友達同士でふつうにセックスする」と言っていた。今回の彼女もまたセックスに重い意味づけはなく、ほんの挨拶代わりというか、彼女にとっては握手みたいなものかなと思える。もっとも、社交辞令的なものから自分の気持ちを込めるものまで、握手にもいろいろあるけれど……。僕は「ようこそ催淫(アブナイ)世界へ」で引きつづき彼女を撮ってみることにした。

 千葉の別荘兼スタジオに1泊2日で出かけた。さっそく事前面接のときの「監督、しないの?」について訊いてみる。「なんでオレとしようと思ったの?」。すると彼女はこんなふうに答えた。「最初にプロデューサー面接があって、さらに監督が面接するってことは、セックスして私の感度を確かめたいんだろうなと思ったから」。

 それはちょっと先走りじゃないの……と思わないでもないが、話していると彼女の考え方が合理的で、頭の回転も速いのが伝わってくる。そこへ持ってきてタメ口というのは、やはり僕ら大人をどこかで見下しているのだろうかとそのときは思った。

 ところが、僕が話した目合の話を彼女はちゃんと受けとめていたようだ。実際「ザ・面接」の現場で、セックスを終えた直後の彼女に僕は感想を求めている。以下はそのやりとりである。「どうしたの?」「初めての感覚です」「だって今までいっぱいしたんだろ?」「今まではただやるだけでした」「今回は違った?」「ちょっと好きになりそうです」。彼女は目合を体験したのである。そして今見返してみれば、ここではタメ口になっていないことに気づく。

 千葉のロケでは、そのタメ口についても訊いてみた。すると彼女は「リスクは覚悟してます」と言う。直そうとしてもクセで出ちゃうんですよ――というわけではなさそうだ。なぜそうするのかまではわかないけれど、彼女としては意識してタメ口を使い、結果「生意気だ」とか「礼儀を知らない」とか言われたとしても、あたふたはしないということだろう。

 体験人数の多さに関しても訊いた。ちなみにプロデューサー資料では130~140人だが、「ザ・面接」では80人と答えている。本当はいったい何人なのか? 「150人かな……よく覚えていない」そうである。ナンパされて……という成り行きが多いらしい。

 これだけの人数だし、ナンパされたら誰でもOKしちゃうのかと思いきや、まず食事からという相手とはセックスしないという。つまり「食事→ホテル」という段取りなんか踏まずに、やりたいなら最初から「やりたい」と言い、ホテルに直行する男とだけやるというわけである。

 昭和の人間からすると、事を運ぶための手順は必要だろうとついつい考えてしまう。いきなりホテルに誘ったりしたら、「私そんな女じゃないわよ!」と言われるんじゃないかと。

 しかし、彼女は合理的に考える。いや、単に合理的なだけではなく、「かくあるべき」という社会性に縛られていない。タメ口で話すのも、上下を重んずるピラミッド型の力学の中に、彼女がいないからだろう。社会のモノサシで判断したり、社会が敷いたレールに乗っかることなく、自分のしたいことを優先する。ともすれば軽く見られがちだし、リスクも確かに大きいだろう。だが、彼女は失敗も含めてその体験を自らの血肉としてゆく。だから、自分の行動に後悔はしていない。

 近ごろは彼女のような子が増えてきた。たとえば、一夫一婦制は現実的にはもはや機能していないにもかかわらず、今すぐそれが変わるかといえば、おそらく変わらないだろう。けれども、彼女のような子たちが30代40代になり、主導的立場に立ったとき、きっと世の中は大きく変わっていくはずである。そんな平成の世を僕は見てみたいと思う。









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