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第182回 監督面接

 応接室のドアをあけ、ソファに座っている彼女(30歳)を見たとき、「平成の女ではなく、昭和の女だよなぁ」と僕は思った。悪い意味ではない。しっとり感のある美人だ。およそビデオに出るような雰囲気ではない。

 監督面接にのぞむにあたって、あらかじめプロデューサーが面接した際の資料を渡される。そのなかの何カ所かをそのまま紹介しよう。あなたが彼女を面接するつもりで、どんな女性なのかを推測し、ビデオ出演はOKかNGかを判断してみていただきたい。

 ■初体験……15歳のとき彼と。
 ■好きな体位……1)立ちバック、2)駅弁、3)松葉くずし。
 ■クリを指でやや激しく愛撫されるとイキやすい。
 ■セックスで激しくされると、体が痙攣して止まらない。
 ■見つめ合うセックスはしたことがないが、してみたい(恥ずかしいけれど)。
 ■これまでの変わったセックス……中3のときに剣道部の部室で。飲み屋をしていたときには、お客さん2人とエッチな話をしていて、自分もムラムラしてきて3Pをしてしまった(声を押し殺して)。車の中はスリルがあって、より濡れる。
 ■これまでのよかったセックス……半年前、会社に入ってすぐに上司と。それまで1年くらいしてなかった。男の人がいる職場は初めてで、仕事を教えてもらっているうちに食事に誘われ、お酒を飲み、そのあと上司の部屋に行った(上司は単身赴任)。お茶を飲んでるうちにからんできてエッチに。「やめてください」と2、3回言った(彼はその後、転勤になった)。
 ■これまで恥ずかしかったこと……正常位で激しくされたときに失禁した。
 ■現在は、彼もセフレもいない(エッチは半年していない)。
 ■オナニーの頻度……週に5回くらい(今も欲求不満です)。
 ■オナニーで想像していること……1)会社で仕事中、上司に無理やり、2)林の中でウォーキングしているマッチョの若い男に無理やり。
 ■出演動機……ネットでいっぱいAVを見た。男優さんとエッチしたら、どのくらいいいのか興味がある。
 ■ビデオでしてみたいこと……屋外、ソフトSM、オモチャ、電車の中、コスプレ(CA、水着)、レイプ(男2人に)、レズ(ネコ)。

 さて、いかがだろうか? しっとりとした外見からは想像もつかないほど、彼女の性の履歴は賑やかである。アダルトビデオなのだから、そのエロさは持ってこいという見方もある。

 では、僕はどう見たか。彼女は典型的な思考オクターヴ系の「快楽追求型」と言えるだろう。彼女にとって、セックスとは「妄想と刺激」なのだ。好きな体位も刺激的なものばかりで、1番は立ちバック。「後ろから両腕を持たれて、ガンガン突かれるのがいい」と彼女は言う。2番目の駅弁はきっと「ネットでいっぱい見た」と言うAVの影響だろうが、駅弁をされているとき、その映像がオーバーラップし、自分がいやらしいことをしているという刺激をいっそうかき立てるのかもしれない。

 ふつうはクリトリスを激しく攻められると痛いものだが、「快楽追求型」の場合、慣れるにつれてだんだん物足りなくなってくる。そこで、より強い刺激を求め、そのうちに痛覚は鈍化し、激しいのが(彼女の場合は「やや激しく」だが)気持ちよくなってゆく。「セックスで激しくされると、体が痙攣して止まらない」もしかり。

 では、妄想のほうはどうか? 彼女のオナニーでの定番は「会社で仕事中、上司に無理やり」「林の中でウォーキングしているマッチョの若い男に無理やり」と、どちらも「無理やり」だ。これが脳への刺激になっている。

 ビデオでしてみたいこととして列挙されたもののうち、肉体への強い刺激としては「ソフトSM」「オモチャ」、背徳感という脳への刺激では「屋外」「電車の中」「コスプレ(CA)」、「レイプ(男2人に)」、新鮮さという刺激ではまだ未体験だと言う「レズ」だろうか。

 これまでのセックスのエピソードとして、飲んだあと、単身赴任の上司の部屋に行って……というのがあるが、「それって、君もその気で行ってるよね?」と訊いたら、「いえ、上司だし、信用してたし、そういう人じゃないと思っていたし……」と彼女は言う。子どもじゃあるまいし……と僕は思うのだけれど、彼女は最後まで認めない。

 僕に話したところで困ることは何もないはずだが、なぜ認めないのだろう? もうひとつの、飲んでいてエッチな話でムラムラしてきて3Pになっちゃったという話もそうだが、彼女のセックスは、自分から好きになって、デートして、結ばれてゆく……というのではない。半ば強引にとか、酒を飲んでそういう話になってとか、必ずどこかにエクスキューズがある。自分が欲情しているのは、あまり見せたくないというか。これは彼女が自分を好きになれないということを物語っている。

 自分を好きになれない人間は、相手を好きになることもできない。だから向き合えない。好きになったときの感情は、そばにいたいし、つながりたいし、そこから抱かれたいというのが出てくるわけだが、彼女はそういう出方をしていない。性欲や疼きは当然あるわけで、それが好きという感情と混じり合わないまま、快楽にだけ結びついているみたいである。

 そこに感情が参加していないから、いくら快楽を追求していっても心は満たされない。「セックスで激しくされると、体が痙攣して止まらない」と彼女は言う。また、「正常位で激しくされたときに失禁した」とも。感じやすい彼女が相手に心を開いてオーガズムを体験できれば、高まってきた内部のエネルギーは外に出て相手のエネルギーと溶け合うはずだが、それが外に出ないときには痙攣として表われたり、尿や潮となって出ていく。

 以上が、資料と面接から僕が大まかに感じたことである。では、彼女を採用するか否かだが、もしも彼女の心が打ち震えるような歓びを体験できるとしたら「ザ・面接」よりは「ようこそ催淫(アブナイ)世界へ」のほうが可能性は高いだろう。1泊ないし2泊でじっくり時間を取り、彼女の話をとことん聞き、僕なりのレクチャーもしたうえで、催淫CDによりトランスに導く。男優も事前に選んでおける。「ザ・面接」では、1日で3人撮るので時間も限られており、撮影が始まってしまえば僕からレクチャーはできない。男優もクジ引きなので、誰があたるかはわからない。

 今回、たまたまこの女性を例にとったけれど、10人監督面接をすれば、8人までが彼女と似たり寄ったりである。その意味では、彼女は現代女性に特有なパターンなのだ。

テーマ : 日記
ジャンル : アダルト

第181回 レイプと強盗がもたらしたもの

 「自然」と「社会」は、対立概念でもある。たとえば、ニホンザルはサル山に社会を形成するが、彼らの社会は自然の中の一部に見える。ところが、僕たちニンゲンの社会は、往々にして自然をコントロールしようとし、ときには破壊さえしてきた。そして、コントロールしたはずの自然から大きなしっぺ返しを食うこともある。

 「レイプと強盗~」というから読みはじめてみたら、いったい何の話かと思われるかもしれないが、予定では、最後にはつながっていくはずである。

 5年前の作品に「ようこそ催淫(アブナイ)世界へ4 誰にも言えない猥褻事件」というのがある。ここには、真島みゆきと茜しおんという20代半ばの女性が登場する。2人を一緒に撮ったわけではない。お互いに面識があるわけでもなく、たまたま撮影日が近かっただけだが、期せずして2人は現場で同じようなテーマを僕に投げかけてくれたのだった。

 最初に登場する真島は、ふつうのセックスをしたことがないと言う。叩かれたり、髪を引っ張られたり、縛られたり、首を絞められたり、オシッコをかけられたり……。「それで満足しているの?」と訊いたら、「セックスってそういうものだと思っていたので」と答えた。つまり、これまでそういう相手としか巡り合っていないのだ。

 このブログを読んでくれている方なら、もうおわかりだろう。会う男会う男がみな隷属を求めるというのは単なる偶然ではなく、彼女の側に何らかの原因があるはずだ。そう考えるのは、僕の現場が長い男優たちも同様で、その場にいた平本一穂が「何か呼んでるんじゃないですかねぇ」と言う。「かもしれないですね」と彼女。続けて平本は「レイプされたことありませんか?」と尋ねる。「あります。なんでわかるんですか?」

 彼女の話によれば、レイプは小学校5年生のときで、初潮の数日後だったという。むろん処女だった。相手はまったく知らない人。傷ついた心と体にせめて温かい言葉をかけるべき母親の口から出たのは、「そんな汚いことされたんだから、外で絶対言うんじゃないよ」だった。「大丈夫?」の一言もなく、まるで「あんたが悪いんだよ!」と言わんばかりの態度に、彼女は「あ、いけないことなんだ」と思ったという。「忘れようとしても忘れられなくて、(レイプの)時期が夏だったんですが、夏になると思い出すんです」と言う。その後、彼女は15歳のとき、別の知らない男からもレイプされている。

 最初のレイプのとき、もしも母親が「おまえが悪いんじゃない!」とはっきり言ってくれて、やさしい言葉で包み込んでくれたなら、彼女の心の傷も薄らいでいったことだろう。たとえ完全には消えなくとも、それがトラウマとして残り、その後の彼女を苦しめ続けることはなかったに違いない。

 以前には退行催眠や呼吸法によって、女の子に当時のレイプを再体験させ、そこの記憶を組み替えるということをやってきた。しかし、この「ようこそ催淫(アブナイ)世界へ」では、催淫テープ(CD)によって、社会のしがらみや自己規制から解き放ち、本当のセックスを体験させるようにしている。本当のセックスを体験すれば、その子の人生はきっと違ったものになるだろうと思うからである。

 彼女はあのセックスで、初めて安心感のようなものを感じ取ったようだ。叩かれたり、縛られたり、首を絞められたりといった隷従・隷属ではなく、目の前の男に自分を明け渡してしまえる安心感である。それは彼女をずっと苦しめてきた忌まわしい記憶すらも、中和するものであったと思う。

 2番目に登場する茜は「恋愛していても、セックスしていても、いつも冷静に見ているもう1人の自分がいる」と言った。だから「自分が好きと思っても、もう1人の自分が『この人じゃないかも』と言う」のだそうだ。

 彼女が恋愛に冷め、セックスに没頭できなくなったのには、理由があった。それは3年前に遭った強盗事件である。被害者となった彼女は「犯人もふだんは普通の人なんだろうけど、何かちょっと間違っただけで、他人をここまで恐怖に陥れることが平気でできるんだと思った」と言う。それ以来、彼女は人間不信なのだ。強盗事件についてはあえて踏み込まなかったから詳細はわからないけれど、彼女が味わった「恐怖」の中には、ひょっとしたらレイプも含まれていたかもしれない。

 催淫テープを聴いたあと、彼女が平本とセックスをする。している間じゅう、彼女は平本の目を見つめたままだった。終わったあと、そのことを訊いてみると、「今まで目を見てしたことなんてなかった」と言う。そして「動物になっちゃったんじゃないかな……。ずっと目をあけてたかった。なんかわかんないけど、見ていたかった」と。

 本能むき出しの彼女は、佐川銀次ともセックスをした。まさに目合(まぐわい)だった。満たされた顔の彼女が「幸せな感じが凄い」と言う。「ちゃんとセックスしてたよ」と僕が言ったら、「きょう、処女じゃなくなったような気分なんですけど」とうれしそうに笑った。

 催淫テープはトランス誘導により社会性(思考)を落とし、内なる自然(本能)に主導権を握らせる。本能に根づいた感情が湧き上がってきたとき、人はおのずと相手の目を見たくなるものなのだ。にもかかわらず、ほとんどの人間は自然からどんどん遠ざかっている。僕はこの作品のエンディングに次のようなテロップを入れた。

 自然は心をほどき、身を解く。本来SEXも自然に属していた。 

テーマ : 日記
ジャンル : アダルト

第180回 熱中症といじめ

 友人にKという男がいる。現在68歳。数年前まで下北沢で飲み屋をやっていた。僕ら仲間の溜まり場にもなっていた店である。Kの趣味はウォーキングだが、下北沢の自宅から羽田やお台場、最近はスカイツリーまでも徒歩で出かけ、徒歩で帰ってくる。多い日には50キロ歩くこともあるというのだ。

 先月、Kをまじえ同世代の仲間たちと飲んだとき、「よくそれで熱中症にならないよな?」という話になった。Kはこれまで真夏のウォーキングでも熱中症になったことは一度もないと言う。「子どものころから冷房の効いたところで育ってたら、暑さに対する免疫もないもんな」と誰かが言う。確かに僕らが子どものころには扇風機すらなかった。

 それでいて熱中症、言葉はともかくそれに類する症状がニュースになることはなかったように思う。なかには暑さで倒れた人もいたのだろうが、僕のまわりでは記憶にない。それとも、地球は温暖化しているというし、とりわけ都市部ではヒートアイランド現象によって、昔とは夏の暑さそのものが違うのだろうか。

 下の図は、気象庁のデータをグラフ化したものである。東京の8月の平均気温(一日の平均気温の月平均値)の推移で、明治9年(1876年)から去年(2011年)まで136年分ある。タテ軸が気温(℃)。ヨコ軸が西暦(年)。




TemperatureAverage-100



 折れ線グラフは振幅をくり返しながら、わずかに右肩上がりになっている。年々気温が上昇傾向にあるという証左だろう。しかし、その上がり幅は、136年前と比べても2℃程度。これが熱中症の第一原因とは考えにくい。すると、やはり人間が暑さに対して弱くなっているということだろうか。

 話をKに戻そう。Kには30代と20代の2人の娘がいるが、家族4人で週に4日くらいは夜、外食に出かけると言う。いろいろ美味しい店を見つけては家族を連れていき、食後はそのままカラオケに行ったりしている。そういうことが今なによりも楽しいとKは言う。娘さんはどちらも未婚だが、奥さんも「もう嫁に行かなくていいから」と言うくらい家族の仲がいい。

 あまりに健全なので、聞いていた1人がKに浮いた話を催促する。すると「きっとインポだと思われてるよな、オレは」と彼が切り出す。「女とそういう状況になっても、情が通わない相手だと勃たないんだよ、いくらしゃぶられても……。女房だと勃つんだけどなぁ」

 Kとは長いつきあいだが、彼は頭でっかちなマジメ人間ではない。女もケンカも好きな男である。だが、今はきっと心と体が一致しているのだろう。「情の通わない女とはもうできなくなった」という彼の言葉に、僕らは思わず黙ってうなずいてしまった。

 しかし、ほとんどの人は、したいときにその欲望を無理やり抑え込み、本当はしたくないときにしゃぶったりしごいたりで勃たせてしているケースが多いように思える。それは、心や体よりも頭を優先させた結果でもある。

 本能が正常に機能しているであろうKは、炎天下にウォーキングしているとき、無意識のうちに体が反応して、何らかの涼を取っているのではないかと僕は思った。僕らが子どものころ、空調設備がないぶん、暑さに対する耐性は今の子どもたちより強かったはずである。だがそれ以上に、自分の体の声にしたがい、たとえ親から言われなくとも水を飲み、頭から水をかぶったり、川に飛び込んだり、思い思い勝手に涼を取っていた。

 熱中症とともに近ごろ頻繁に報道されるいじめ問題では、ペナルティを背負いたくないという学校側の隠ぺい体質が露呈している。もしも先生たちの本能に根ざした対人感性が機能していれば、いじめを察知した時点で条件反射的に介入し、止めるなり、いじめている側を処罰するなりしそうなものなのに、と思ってしまう。その意味では、この大人たちもまた人間の根っこの部分が育っていないのである。


(「週刊代々木忠」は2週間、夏休みをいただきます。みなさんに次にお目にかかるのは8月24日(金)になります)

テーマ : 日記
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