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第113回 報道されないボランティア

 「円と生活」というサイトに「海外で報道される、震災地でのヤクザの活躍」と題して次のような記事が掲載されている。

〈(前略)今回の東日本大震災では、複数の組織が第一波の数時間後には東京で足止めを余儀なくされた人に事務所を開放(実際に利用した人はいるんでしょうか?)、同時に2トントラックを手配して被災地へ水、食料、毛布などの支援物資を緊急輸送しています。

 翌日には稲川会が4トントラック25台に紙おむつ、インスタントラーメン、乾電池、懐中電灯、飲料など日用品を満載して東北地方に向け出発しています。

 住吉会は避難所を提供、最大派閥の山口組も被災者に全国のオフィスを開放、救援物資を詰んだトラックを東北地方に向かわせています。

 なかでも稲川会は、東北地方をルーツとしていることもあり、今回の被害に対するボランティア活動に最も積極的です。
 東京支部は3月12日から翌13日の朝にかけて、茨城県ひたちなか市のひたちなか市民ホールに50トンの援助物資を東京から12時間も掛けて送り届けました。その際、受け取り拒否にあわないよう、ヤクザという身分は隠したそうです。
 また、神奈川支部も茨城と福島にトラック70台の支援物資を送り届けるなど稲川会全体では、およそ100トンに上る支援物資を提供したと見られています。
 彼らは防護服もヨウ化カリウム剤も持たずに任務に当たったそうです。

 山口組の構成員は記者に対し、寄付を断られたくないので、彼らのボランティア活動を余り報道して欲しくないと語っています。(後略)〉


 この記事から、山口組も稲川会も住吉会もそれぞれトラックを出して、被災地に行っている様子がよくわかる。これらヤクザのボランティアは、日本国内においてはほとんど報道されていない。阪神淡路大震災のときも山口組が炊き出しをやったのが少し報道されただけで、あるときからパッタリとなくなった。

 これは僕の推測だが、報道したメディアの上あたりから「これはマズイんじゃないか」というストップが掛かったのではないだろうか。報道がヤクザを認め、肯定するわけにはいかないと。今回報道されないのも、大方そんな思惑というか、誰かの保身が働いてのことだろうと思うのだ。

 ヤクザの行動規範は、一般社会の人たちからはなかなか見えにくいだろうが、なぜ彼らが地震のあったその日のうちにも行動に出ているかといえば、「助けを求めている人がいるのに、なにもせずにのうのうとしていて、自分に恥ずかしくないのか」という思いが強いからである。これを任侠と呼ぶが、その思いはカタギ以上に強い。

 ヤクザの世界にも本音と建前は存在するし、彼らの行動がすべて正しいわけではないけれど、平時ではない今だからこそ、彼らの中の任侠は発揮されているのだろう。ヤクザは今後とも任侠を精神活動のよりどころとして、その生きざまを見せてほしい。他国の健全なメディアはしっかりと見ているのだから。

 では、僕たちは今、何をするべきか?

 テレビ報道を通して、世界中が日本人を見守っている。こそ泥はいるものの、略奪や暴動が起きない、それどころか自分も困っている中で他者を思いやる、日本人の矜持に驚きと称賛の声が寄せられている。

 僕たちは、人間が人間らしく生きる、その原形ともいうべきものを創り出す義務とチャンスを選んだととらえて前に進みたい。

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