週刊代々木忠
いまこの瞬間の代々木忠の想いが綴られる
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--------(--:--) :
スポンサー広告
:
このページのトップへ
第287回 ケンカした翌朝の「おはよう」
僕も女房も感情オクターヴ系である。だからケンカはしょっちゅうする。しかもぶつかり合うときは激しい。人様にはとても聞かせられない言葉の応酬。それを言っちゃあお終いだよ――ということをお互い何度も口にした。
でも、バトルが終わって冷静になると、さすがにオレも言い過ぎたかな……とちょっと反省したりする。とはいえ、あれだけ言い争った後である。こっちから「ごめんね」とは言いづらい。素直になれないのだ。
翌朝目が覚めて、自分の部屋からリビングへ向かう。足も重けりゃ気も重い。キッチンには女房の後ろ姿。僕が起きてきたのに気づいて、女房がふり返る。「おはよう」。まるで何事もなかったかのような、いつもと同じ言葉が飛んでくる。ぎこちなさは微塵もない。自分の妻ながら、勝てねえなぁと思う。
毎回そうである。たまには先手を打とうと思うけれど、僕にはなかなか言えない。では、女房はなぜ言えるのだろう? 僕と同様、感情的になったら止まらないものの、きっとその後の切り替えが早いのだ。瞬間瞬間に生きている。
どうしてそういうふうに生きられるのか? それは自分の中にネガティブなものを溜め込んでいないからではないだろうか。溜め込んでいれば、現在の怒りが呼び水となって、過去に中和されていない感情までが溢れ出てくる。
女房の故郷は北海道の夕張。山の中である。兄弟6人の長女。厳しい自然の中で、親子兄弟、力を合わせ、助け合いながら育ってきた。両親の愛情もたっぷり注がれたことだろう。だから、幼い頃に負ったトラウマはなく、どこまでもポジティブである。
そういえば、娘たちが小さい頃、学校から帰ってきて「ああ、きょう疲れた~」って言うと、女房は決まって「疲れたんじゃなくて、がんばったんでしょ? なら、『きょうはがんばった』って言いなさい」と繰り返し言っていたものだ。
一方、僕のほうは3歳のときに母が亡くなって、親戚の家を転々とする。父はいたが、仕事の関係で家を離れなければならなかった。親戚の家で虐待されたとか、いじめられたということはないけれど、子どもなりに気をつかいながら生きてきた気がする。なので、屈折したものが僕の中にはあるのだろう。
男も女も一緒になるまでは、互いにいいところを見せている。ところが、結婚すればそれまで見せなかった部分が知らず知らずのうちに出てくるわけで、棘の刺し合いになることだってあるだろう。
むかしは大家族だったし、地域自体1つの家族のようでもあったから、とことん愚痴を聞いてくれたり、厳しくもあたたかく諭してくれる人が何人もいた。でも、今は手を差し伸べてくれる人がまわりにいない。だから、いきなり弁護士と「慰謝料いくら取れるか」の相談になったりする。
ネットを見れば「夫婦円満の秘訣」について書かれた文章がいくつも出てくる。それらを読むと、やっぱり努力を求めているように感じてしまう。努力はつらいし、どこかで途切れる。そして努力した分の見返りを気づかぬうちに求めてしまう。女房と連れ添って46年になるが、僕らはうまくやろうという努力はしてこなかったように思う。
お互いに仕事や趣味など、好きなことをしてきた。自分が好きなことをしているわけだから、相手の好きも尊重する。そうするとストレスは溜まりづらいが、それでも腹が立てば溜めずに全部出してしまう。「円満の秘訣」には「ケンカもときには必要」的なくだりもあるが、なにも必要だと思ってケンカするわけではない。気づいたら言っちゃってるだけである。そして今は、庭いじり花いじりが夫婦共通の趣味になった。もちろん主導権は女房が握っている。
11月6日(木)、全46タイトルに増えました!
2014-11-07(00:00) :
週刊代々木忠
:
コメント 0
:
トラックバック 0
このページのトップへ
前の記事
«
ホーム
»
次の記事
トラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
このページのトップへ
コメントの投稿
名前
タイトル
メールアドレス
URL
本文
パスワード
非公開コメント
管理者にだけ表示を許可する
このページのトップへ
« 前の記事
ホーム
次の記事 »
このページのトップへ
カテゴリ
週刊代々木忠 (343)
最新記事
第344回 修羅場をくぐって (03/04)
第343回 誰のために (02/26)
第342回 みにくいアヒルの子 (02/19)
第341回 虚実皮膜 (02/12)
第340回 「満たされない女」と「向き合えない男」 (02/05)
第339回 トランスとは何か? (01/29)
第338回 笑ったり、泣いたり、怒ったり (01/22)
第337回 2015年をふり返って (12/18)
第336回 SM (12/11)
第335回 幸せが生まれる場所 (12/04)
第334回 幸福のとき (11/27)
第333回 セックスレスの大きな要因 (11/20)
第332回 対話Ⅲ (11/13)
第331回 女の側の心理――そこを男は見落としている (11/06)
第330回 世界一貧しい大統領 (10/30)
第329回 深まる秋に (10/23)
第328回 総理大臣の呼吸法 (10/16)
第327回 何のためにセックスするのか? (10/09)
第326回 サイレントベビー (10/02)
第325回 真似る (09/25)
第324回 スマホ買いました… (09/18)
第323回 売買春は合法化すべきか? (09/11)
第322回 右脳セックス (09/04)
第321回 夏の疲れに (08/28)
第320回 セックス経験1回の女の子 (07/31)
第319回 いじめの根っこ (07/24)
第318回 対話Ⅱ (07/17)
第317回 動き出した若者たち (07/10)
第316回 癒着と拡張 (07/03)
第315回 水平目線 (06/12)
月別アーカイブ
2016/03 (1)
2016/02 (4)
2016/01 (2)
2015/12 (3)
2015/11 (4)
2015/10 (5)
2015/09 (4)
2015/08 (1)
2015/07 (5)
2015/06 (2)
2015/05 (5)
2015/04 (4)
2015/03 (4)
2015/02 (4)
2015/01 (3)
2014/12 (3)
2014/11 (4)
2014/10 (5)
2014/09 (4)
2014/08 (2)
2014/07 (4)
2014/06 (4)
2014/05 (5)
2014/04 (4)
2014/03 (4)
2014/02 (4)
2014/01 (3)
2013/12 (4)
2013/11 (5)
2013/10 (4)
2013/09 (4)
2013/08 (3)
2013/07 (4)
2013/06 (4)
2013/05 (5)
2013/04 (4)
2013/03 (5)
2013/02 (4)
2013/01 (3)
2012/12 (3)
2012/11 (5)
2012/10 (4)
2012/09 (4)
2012/08 (3)
2012/07 (4)
2012/06 (5)
2012/05 (4)
2012/04 (4)
2012/03 (5)
2012/02 (4)
2012/01 (3)
2011/12 (4)
2011/11 (4)
2011/10 (4)
2011/09 (5)
2011/08 (2)
2011/07 (5)
2011/06 (4)
2011/05 (4)
2011/04 (5)
2011/03 (4)
2011/02 (4)
2011/01 (3)
2010/12 (4)
2010/11 (4)
2010/10 (5)
2010/09 (4)
2010/08 (2)
2010/07 (5)
2010/06 (4)
2010/05 (4)
2010/04 (5)
2010/03 (4)
2010/02 (4)
2010/01 (3)
2009/12 (4)
2009/11 (4)
2009/10 (5)
2009/09 (4)
2009/08 (2)
2009/07 (4)
2009/06 (4)
2009/05 (5)
2009/04 (4)
2009/03 (4)
2009/02 (4)
2009/01 (5)
2008/12 (4)
QRコード