週刊代々木忠
いまこの瞬間の代々木忠の想いが綴られる
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--------(--:--) :
スポンサー広告
:
このページのトップへ
第136回 ミラーニューロン(1)
2カ月ほど前、一人の女の子と話していて、彼女の口から「ミラーニューロン」という言葉を聞いた。このミラーニューロンの発見は、DNAの発見に匹敵するくらいの功績だというのだ。
この2カ月、ミラーニューロンについて書かれた本や、脳科学の本を乱読し、ネットで関連記事を探した。で、それがどういうものかわかってくるにつれて、確かにこれは凄いやと僕も確信したのだった。どう凄いのかを、みなさんにも紹介したいと思う。
ご存じの方もいると思うが、知らない方のために、まず「ミラーニューロンとは何か」から。「ニューロン」とは神経細胞のことだが、「ミラーニューロン」とは、ある種の脳神経細胞をさす。たとえば、モノをつかんだり、引っぱったり、投げたりするとき、脳の中ではそれぞれの動きに応じた運動指令ニューロンが発火している。脳科学を勉強したことのない僕でも、まぁ、それはそうだろうと思う。手といわず足といわず、人間の体の動きの指令本部は脳にあるのだし、その部位や動きに応じて、発火点も異なるということだろう。
で、問題はここからだ。Aが目の前のモノをつかもうとするのを、Bが見ているという状況において、Aの頭の中で発火するのと同じ場所のニューロンが、Bの中でも発火するというのである。見ている者と見られている者の一致がまるで鏡に映したようなので、ミラーニューロンと名づけられた。このミラーニューロンが発見されたのは、ほんの15年前だ。
今から20年前、僕は「チャネリングFUCK」というシリーズを撮っていた。一人の女の子がセックスをして感じはじめると、それを見ていた別の女の子も感じはじめ、セックスしている子がイッてしまうと、見ている子もイッてしまうというチャネリング現象が起きた。見ているだけで体になにも触れてないのにイッてしまう、このシリーズを評して、「ヤラセだ」「オカルトだ」とさんざん僕は叩かれたのだった。目の前で起きている現実がヤラセでないのは、僕がいちばんよくわかっているけれど、僕自身、なぜそうなるのかがわからない。だから、批判している相手が納得するような説明もできなかった。
けれども、あのチャネリングは「ミラーニューロン」で説明がつくではないかと僕は今回思ったのだ。セックスで感じている子の脳の発火点と、それを見ていた子の発火点は同じだったのだと。しかし、人のオーガズムを見ていたら、みんながみんなイッてしまうわけではない。そうなってしまったら、撮影どころではないのだから。
これはどう解釈すればいいのか? だが、それもミラーニューロンの研究結果から説明がつく。それはこうである。たとえば、ある人が右の腕をだれかからつかまれたとする。それを見ていた人は、つかまれた人と同じ所が発火する。発火はするものの、自分の腕がつかまれたとは決して混同しない。なぜなら、人間の皮膚には触覚や痛覚のセンサー(受容体)があるからなのだ。そのセンサーが「あなたがつかまれたんじゃない」と教えてくれる。
だから、たとえば腕に局部麻酔をかけてしまうと、センサーは働かないので、混同が起こる。触覚や痛覚のセンサーが機能しなければ、自己と他者の区別はなくなるというわけである。実際、事故などで腕を失った人が、失くしたはずの腕(幻肢)に痛みや痒みを覚えることがある。その際、他の人が同じ箇所をさすってもらったり掻いてもらったりしているのを見ると、幻肢の痛みや痒みは鎮まるという。
僕の撮影現場でチャネリングが起きたとき、僕は催眠誘導によってあらかじめ女の子たちをトランス状態に持っていっていた。トランスに入ると、触覚のセンサーも休眠状態になる。それゆえに自己と他者の境界線は消失したのではないかと思うのである。
だが、僕が抱えていたチャネリングの謎が、ミラーニューロンによってすべて解けたわけではない。ミラーニューロンが発火するためには、その行為を視覚や聴覚によって認識していることが前提となっている。つまり、見えているか、聞こえていなければ、シンクロは起こらない。ところが、「チャネリングFUCK」の撮影は、ときには大きなホテルの同じフロアながら、いちばん端と端の部屋を取って行ったときもあった。しかし、この場合にもチャネリングは起きたのである。一室の音声がもう一室に聞こえることはありえないし、もちろん見えるわけもない。もしこれも「ミラーニューロン」の働きだとするなら、なぜシンクロが起きたのだろう?
僕は今こんな想像をしている。先ほども記したが、ミラーニューロンが発見されてまだ15年だ。しかも人間の脳自体、解明されたことよりも未知なる部分のほうが圧倒的に多いと言われている。であるならば、きっと視覚や聴覚によらないシンクロについても、きっと脳のメカニズムとして説明がつく日がやってくるのではないだろうか。
僕がミラーニューロンに強い関心を持ったのは、自分がこれまでに体験した一見超常的ともいえる現象がミラーニューロンによって大方解き明かされたという面も確かにある。しかし、いわば過去の謎解きは、ミラーニューロンに魅かれる理由のほんの一部にしかすぎない。重要なのは「現在」なのだ。それについては次回書いてみたい。
テーマ :
日記
ジャンル :
アダルト
2011-09-16(00:00) :
週刊代々木忠
:
コメント 0
:
トラックバック 0
このページのトップへ
前の記事
«
ホーム
»
次の記事
トラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
このページのトップへ
コメントの投稿
名前
タイトル
メールアドレス
URL
本文
パスワード
非公開コメント
管理者にだけ表示を許可する
このページのトップへ
« 前の記事
ホーム
次の記事 »
このページのトップへ
カテゴリ
週刊代々木忠 (343)
最新記事
第344回 修羅場をくぐって (03/04)
第343回 誰のために (02/26)
第342回 みにくいアヒルの子 (02/19)
第341回 虚実皮膜 (02/12)
第340回 「満たされない女」と「向き合えない男」 (02/05)
第339回 トランスとは何か? (01/29)
第338回 笑ったり、泣いたり、怒ったり (01/22)
第337回 2015年をふり返って (12/18)
第336回 SM (12/11)
第335回 幸せが生まれる場所 (12/04)
第334回 幸福のとき (11/27)
第333回 セックスレスの大きな要因 (11/20)
第332回 対話Ⅲ (11/13)
第331回 女の側の心理――そこを男は見落としている (11/06)
第330回 世界一貧しい大統領 (10/30)
第329回 深まる秋に (10/23)
第328回 総理大臣の呼吸法 (10/16)
第327回 何のためにセックスするのか? (10/09)
第326回 サイレントベビー (10/02)
第325回 真似る (09/25)
第324回 スマホ買いました… (09/18)
第323回 売買春は合法化すべきか? (09/11)
第322回 右脳セックス (09/04)
第321回 夏の疲れに (08/28)
第320回 セックス経験1回の女の子 (07/31)
第319回 いじめの根っこ (07/24)
第318回 対話Ⅱ (07/17)
第317回 動き出した若者たち (07/10)
第316回 癒着と拡張 (07/03)
第315回 水平目線 (06/12)
月別アーカイブ
2016/03 (1)
2016/02 (4)
2016/01 (2)
2015/12 (3)
2015/11 (4)
2015/10 (5)
2015/09 (4)
2015/08 (1)
2015/07 (5)
2015/06 (2)
2015/05 (5)
2015/04 (4)
2015/03 (4)
2015/02 (4)
2015/01 (3)
2014/12 (3)
2014/11 (4)
2014/10 (5)
2014/09 (4)
2014/08 (2)
2014/07 (4)
2014/06 (4)
2014/05 (5)
2014/04 (4)
2014/03 (4)
2014/02 (4)
2014/01 (3)
2013/12 (4)
2013/11 (5)
2013/10 (4)
2013/09 (4)
2013/08 (3)
2013/07 (4)
2013/06 (4)
2013/05 (5)
2013/04 (4)
2013/03 (5)
2013/02 (4)
2013/01 (3)
2012/12 (3)
2012/11 (5)
2012/10 (4)
2012/09 (4)
2012/08 (3)
2012/07 (4)
2012/06 (5)
2012/05 (4)
2012/04 (4)
2012/03 (5)
2012/02 (4)
2012/01 (3)
2011/12 (4)
2011/11 (4)
2011/10 (4)
2011/09 (5)
2011/08 (2)
2011/07 (5)
2011/06 (4)
2011/05 (4)
2011/04 (5)
2011/03 (4)
2011/02 (4)
2011/01 (3)
2010/12 (4)
2010/11 (4)
2010/10 (5)
2010/09 (4)
2010/08 (2)
2010/07 (5)
2010/06 (4)
2010/05 (4)
2010/04 (5)
2010/03 (4)
2010/02 (4)
2010/01 (3)
2009/12 (4)
2009/11 (4)
2009/10 (5)
2009/09 (4)
2009/08 (2)
2009/07 (4)
2009/06 (4)
2009/05 (5)
2009/04 (4)
2009/03 (4)
2009/02 (4)
2009/01 (5)
2008/12 (4)
QRコード