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第198回 快楽へ走る女たち

 「ザ・面接」に出た女の子で、彼氏(1人)とセフレ(5人)がいる子がいた。33歳のエステティシャンである。その後、別の作品にも彼女をキャスティングしたので、彼女の恋愛観について聞いてみた。

 「結婚する気は今はないです」と彼女は言う。「20代前半のほうが早く結婚したいとか、子どもが欲しいとか思っていました。そういうものだからって、私もそうしなきゃって。それが普通だからそうしなきゃいけないと思ってたんですけど、どっかで、いや、なんか違うなって……」。

 もともと違和感はあったわけだが、それが決定的になった理由として彼女が語ったのは次のようなことだ。「まわりの友達だとか親戚だとか、結婚しても別れちゃう人がすごく多くて。お互いの悪口を言い合ってるのを見たりすると、そんなことするくらいなら最初から結婚しなければいいのにって思ったんですよ」。

 「それと、男がいっぱいいるというのも片一方にあるんじゃないの?」と僕がつっこむと「そうです」と彼女は笑う。最近、彼氏とは別れたそうだが、5人のセフレとは継続しているらしい。彼女にとってセフレは「ただセックスをするだけの相手、お互いセックスを楽しみましょうという相手」で、彼氏は「セックスも含めて一般的なデートをする相手」と言う。

 セフレに対して恋愛感情はなく、彼氏には当然ある。だから、セフレには恋人や別のセフレがいることも彼女はオープンだった。べつに文句を言われる筋合いもないといったところだろう。けれども、彼氏にセフレのことは言えない。セックスに限っても、セフレには「こうしたら嫌われるんじゃないか」とか「どう見られるだろう」という気兼ねがない。ひたすら気持ちよさを追求するだけだ。だから、セックスもセフレとのほうが快感が大きい。つまり、彼氏に対してはどんどん秘密が溜まっていき、セックスもセフレとするほど気持ちよくないという皮肉。結果として彼女は別れてしまった。

 だが、彼女が特異なケースかといえば、そんなことはなく、こういう女性が増えつづけている。現にプロデューサーからまわってくる女の子の資料を見ると、彼氏はいないけれど、セフレならいるという子が圧倒的に多い。なぜなのだろう?

 女性向けの性のマニュアルや女性誌のセックス特集が売れるのも、AVを見る女性が増えているのも、草食系男子に対して肉食系女子といわれるのも、根っこは同じように僕には見える。彼女たちは快楽を追い求めており、セックスとはそれを得るための手段だからだ。

 彼女たちの多くは幼い頃に体の気持ちよさを覚えている。なかには痴漢や知らないオジサンにいじられて……という子もいる。そうではない場合でも、なにかの拍子に気持ちよさを知って、オナニーを覚えていく。だから、性というものが、恋愛感情ありきで「この人に抱かれたい」とか「ひとつになりたい」というところから出発していない。

 彼女たちは能動的である。肉体の快楽に貪欲なのだ。それは暴走とも言えなくはないが、だからダメだとは一概には言えない。本能とはもともとそういうふうにできている。性を生業(なりわい)にしている僕にしても、ビデオを初めて何年かはオーガズムばかりを追いかけてきた。オーガズムとは、快楽の頂上みたいなものである。だが、オーガズムは快楽の延長線上にあるのではないと、僕は現場で気づかされたのだった。

 今、快楽を追い求めている女性たちが、そこに気づいてくれれば、きっと彼女たちは変わるだろう。そうすれば、男たちも変われるのだと僕は思っている。


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(*「週刊代々木忠」は2週間お休みをいただきます。次に読んでいただけるのは1月11日になります。みなさん、よいお年をお迎えください)

テーマ : 日記
ジャンル : アダルト

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