週刊代々木忠
いまこの瞬間の代々木忠の想いが綴られる
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--------(--:--) :
スポンサー広告
:
このページのトップへ
第269回 夜のオツトメ
「ザ・面接」に出た、ある女性の話である。四十路の熟女なら、いやらしい映像が撮れるだろうと、ついついこちらも期待する。彼女は2度離婚していた。
最初の結婚では、夫がセックスしなくなったことが離婚理由だという。なので、同じ失敗をくり返すまいと彼女も次は気をつけた。再婚では、1週間に何度もしてくれる性欲旺盛な男を選んだのだそうだ。ところが、2度目の夫も日を追うごとに彼女を抱かなくなってゆく。
これだけ聞くと「男が弱くなっている」という話かと取られるかもしれない。前々回書いた「男たちよ、欲情せよ!」って話と変わらないと。だが、男性諸氏は「だったら、いいや」と思わずに、もう少しおつきあい願いたい。
彼女と事前面接で話したとき、オチンチンへの興味や体位への関心が伝わってきた。ああ、セックスが好きなんだなぁというのがよくわかる。つまり、いやらしいのだ。いやらしいのだけれど、ついぞ色っぽいなぁとは感じなかった。「セックスで目を見たことがない」と言う彼女に「目を見ないと男はしなくなるよ」と僕はレクチャーした。いつも以上に丁寧に。やることはやったから、あとは現場次第だ。
撮影当日、控室で出番を待つ彼女の様子を見に行った。「どんな気分?」。彼女は僕を見ながら真剣な眼差しで「水を一杯ください」と言う。緊張してるのかもしれない。「のど渇いたの?」と訊く僕に、彼女はこう言った。「いえ、いっぱい飲んで潮を吹きたいんです」。僕の中で暗雲が垂れ込める。まぁ、なるようにしかならんか……。僕は助監督に水を持ってくるよう伝えた。
現場が始まった。レクチャーはどこへやらで、彼女は相手の目を見ない。「男優さんの名前を呼んで、今だけでも好きになれ!」と言ってはみたが、性器の結合部をしきりに見ている。まぁいいやと思った僕は、それなら存分に見せてやろうと男優にマングリ返しを注文した。「見える! 見える!」と彼女は歓んでいる。
それは正常位でしているときも同様で、下の入っているところを見ようとする。そのうえ、ファックしながらお尻のほうから手をまわし、結合部分をさわっているのだ。絵柄的にはいやらしいものの、見ていて伝わってくるものがない。僕は「これじゃ、男はしなくなるわ」と気づいたら口にしていた。
彼女を見ていると“頭”が欲情したくて仕方がないという感じだ。辛辣な言い方をすれば、自分が猥褻感を感じるとこだけで遊んでいる。そして、それがセックスだと考えている。目の前の相手の思いを汲んだり、気持ちよさを共有してはいない。こうなると、男にとっては、もう義務である。しかも、別れた夫に彼女が求めたように、その要求は週何回やったところで満ち足りることはない。
義務はトキメかないし、高揚しないし、相手を愛おしいとも思えない。射精はしても、疲れと空しさが残る。これでは男はしなくなるのだ。
前々回紹介した「私はしたいけど、相手がしてくれない」という女たちの声。それに対して「男たちは何やってんだ!」と僕は書いたけれど、全部が全部、男のせいばかりじゃないなとあらためて思う。申し訳ない!
そして同時に、今回の彼女は決してレアケースではないとも思うのだ。そこには、現代社会が抱える問題も見え隠れする。次回はそれについて書いてみたい。
2014-06-13(00:00) :
週刊代々木忠
:
コメント 0
:
トラックバック 0
このページのトップへ
前の記事
«
ホーム
»
次の記事
トラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
このページのトップへ
コメントの投稿
名前
タイトル
メールアドレス
URL
本文
パスワード
非公開コメント
管理者にだけ表示を許可する
このページのトップへ
« 前の記事
ホーム
次の記事 »
このページのトップへ
カテゴリ
週刊代々木忠 (343)
最新記事
第344回 修羅場をくぐって (03/04)
第343回 誰のために (02/26)
第342回 みにくいアヒルの子 (02/19)
第341回 虚実皮膜 (02/12)
第340回 「満たされない女」と「向き合えない男」 (02/05)
第339回 トランスとは何か? (01/29)
第338回 笑ったり、泣いたり、怒ったり (01/22)
第337回 2015年をふり返って (12/18)
第336回 SM (12/11)
第335回 幸せが生まれる場所 (12/04)
第334回 幸福のとき (11/27)
第333回 セックスレスの大きな要因 (11/20)
第332回 対話Ⅲ (11/13)
第331回 女の側の心理――そこを男は見落としている (11/06)
第330回 世界一貧しい大統領 (10/30)
第329回 深まる秋に (10/23)
第328回 総理大臣の呼吸法 (10/16)
第327回 何のためにセックスするのか? (10/09)
第326回 サイレントベビー (10/02)
第325回 真似る (09/25)
第324回 スマホ買いました… (09/18)
第323回 売買春は合法化すべきか? (09/11)
第322回 右脳セックス (09/04)
第321回 夏の疲れに (08/28)
第320回 セックス経験1回の女の子 (07/31)
第319回 いじめの根っこ (07/24)
第318回 対話Ⅱ (07/17)
第317回 動き出した若者たち (07/10)
第316回 癒着と拡張 (07/03)
第315回 水平目線 (06/12)
月別アーカイブ
2016/03 (1)
2016/02 (4)
2016/01 (2)
2015/12 (3)
2015/11 (4)
2015/10 (5)
2015/09 (4)
2015/08 (1)
2015/07 (5)
2015/06 (2)
2015/05 (5)
2015/04 (4)
2015/03 (4)
2015/02 (4)
2015/01 (3)
2014/12 (3)
2014/11 (4)
2014/10 (5)
2014/09 (4)
2014/08 (2)
2014/07 (4)
2014/06 (4)
2014/05 (5)
2014/04 (4)
2014/03 (4)
2014/02 (4)
2014/01 (3)
2013/12 (4)
2013/11 (5)
2013/10 (4)
2013/09 (4)
2013/08 (3)
2013/07 (4)
2013/06 (4)
2013/05 (5)
2013/04 (4)
2013/03 (5)
2013/02 (4)
2013/01 (3)
2012/12 (3)
2012/11 (5)
2012/10 (4)
2012/09 (4)
2012/08 (3)
2012/07 (4)
2012/06 (5)
2012/05 (4)
2012/04 (4)
2012/03 (5)
2012/02 (4)
2012/01 (3)
2011/12 (4)
2011/11 (4)
2011/10 (4)
2011/09 (5)
2011/08 (2)
2011/07 (5)
2011/06 (4)
2011/05 (4)
2011/04 (5)
2011/03 (4)
2011/02 (4)
2011/01 (3)
2010/12 (4)
2010/11 (4)
2010/10 (5)
2010/09 (4)
2010/08 (2)
2010/07 (5)
2010/06 (4)
2010/05 (4)
2010/04 (5)
2010/03 (4)
2010/02 (4)
2010/01 (3)
2009/12 (4)
2009/11 (4)
2009/10 (5)
2009/09 (4)
2009/08 (2)
2009/07 (4)
2009/06 (4)
2009/05 (5)
2009/04 (4)
2009/03 (4)
2009/02 (4)
2009/01 (5)
2008/12 (4)
QRコード