週刊代々木忠
いまこの瞬間の代々木忠の想いが綴られる
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第46回 握った手のひらが膣になる !?(1)
ブログを読んでくださっている方から質問をいただいた。「社会性が強い女性が自分を解放し、本当にセックスを楽しめるようになるには、どうしたらいいのか?」というものだ。ここでいう「社会性が強い」とは、しっかりしていて、常識や教養も持ち合わせ、社会で足を踏み外すことなど、まずないだろうなぁと思われる女性のことである。
正直なところ、こういう女性を開かせるのは難しい。そこで、僕がこれまで実践して効果があった方法を、なるべく具体的に書いてみたいと思う。これは僕の作品づくりにおけるギミック(仕掛け)でもあり本邦初公開である。少々長くなりそうなので、次回と2回にわけて書くことにする。
なぜ社会性の強い女性がセックスを本当に楽しめないのかというと、ひと言でいえば、なかなか"思考のブレーカー"が落ちないからである。セックスをしていても、「本能」や「感情」よりも「思考」が主導権を握っている。相手を分析・評価したり、第三者としての自分が自らのセックスを客観的に見ていたら、エクスタシーなんてやってくるはずがない。
多くの人は欲情すれば、本能センターが自然と主導権を握るのでそれでいいのだが、社会性が強い人は思考センターが欲情させてくれない。欲情することさえ許さないというか、社会に合わせて作り上げた自分が壊れていく恐怖というのもあるのだろう。
こういう人には催淫CDも効かない。催淫CDは紙一重で眠りに落ちる意識状態を作り出す。そういうまったく無防備な意識状態のときに初めて暗示は効果を発揮するし、当人にとっては言葉が言葉ではなく、「舐められている」と言った瞬間に、本当に舐められているのと同じ感覚を味わう。そのとき、思考センターは眠りと同様の休止状態。代わりに催眠の暗示を与える、たとえば僕なら僕が、彼女の思考センターになる。ところが、社会性が強い人は思考センターを手放さないし、人にゆだねない。
ということで、とっかかりとしては「呼吸」がいちばんいいのである。まず、リラックスしてもらうために深い呼吸をしてもらう。とはいえ、深い呼吸をしろと言っても、こういう人は呼吸しながらいろいろ考える。だから呼吸を要求するにしても、事前に本人が「あ、この呼吸はやるべきだな」と思ってくれないといけない。だから僕はこんなふうに言う。
「吸うときにクリーンなエネルギーを全身に広げてあげる。そういう思いをしっかり持って吸い込んであげる。鼻から吸って全身にそういうクリーンなエネルギーを広げる。そして吐くときには、毒素や疲労素が口からも毛穴からも出ていくことをイメージする。あなたはどんどん透明になっていきます」
これは実際に、アメリカ・カリフォルニア州にあるエサレン研究所でそういう研究結果が出ていることも僕は言い添える。すると、本人は「あ、きれいになれるんだ」と思ってくれる。思考中心の人間にとっては、科学的な裏付けが必要なのだ。「呼吸というのは、新陳代謝もよくなるし、気の流れもよくなるし、まず血流が盛んになる。それだけでも細胞は活き活きとしてくるでしょ」と。
エッチとは別に「きれいになれるんだ」ということを説明してあげる。呼吸の効用をしっかり相手に伝えて、納得してもらったうえで呼吸に入るのである。
まず、体を締めつけているブラジャーやベルトをゆるめて、仰向けに横たわってもらう。最初は、鼻から吸って・口から吐く、その1往復に10秒くらいをかける深い呼吸をしばらく続けてもらう。「呼吸をしているときに、ひょっとしたら感情が出てくるかもしれない。泣きたくなったり、怒りが込み上げてきたり。そういうことが起きる場合があるけれど、もしそういうふうになったら、それを止めないで、泣きたくなったら泣いて」と僕は事前に告げておく。ちなみに、ここで感情が出てくると、彼女を解放するとっかかりができる。
涙を流さないまでも、呼吸をやっているときに横隔膜が抵抗し、しゃくるような反応が出てくることがある。そこがいちばんサポートしてあげないといけないポイントだ。「大丈夫。いま抵抗が起きているけれど、呼吸を続けて。体の中に溜まっているものを全部出すような気持ちで」。
早い人だと、その深い呼吸をものの20分もやれば、性的に興奮してきたり、腰を使い出したりする。とりあえず呼吸を続けるということを僕は言い続ける。しゃくったとしても続けてもらう。それを一通り、20分なら20分行う(僕はだいたい10分くらいでそれが起きる)。
僕は10分くらいで出なかったら、今度は1往復1秒間の速い呼吸に意識を傾けて、ひたすらハァ、ハァ、ハァとやらせる。これをやると、それまで出なかった人でもだいたい抑え込んでいた感情が出てくる。
ところが、ここで場合によっては、呼吸をやめてしまうこともある。これは逃避のケースと、スピリチュアルな体験をしているケースがある。スピリチュアルな体験とは、自分の過去の何かと向き合っている可能性が高い。ただ、いずれの場合も、彼女が呼吸をやめたら、ちょっと手を握ったりしながら「呼吸を続けて」と言う。
呼吸をやめてしまわなくとも、速い呼吸に入ったときには、四肢(両手両足)が硬直してくる人もいる。具体的にはたとえば指が曲がらなくなる。手首から先の硬直が始まり、指を伸ばすと「痛い」と本人が言うくらい固まってしまう。この状態になっても強引に呼吸を続けさせると、硬直は全身へと広がっていく。
いちばん気をつけなければいけないのは、心臓の筋肉などに影響を与えることだ。僕はそこまで行った経験がないが、ブリージング・セラピーに関する本を読んでいくと、そこは危険だと指摘している。だから、初心者がやるときには、四肢の硬直が起きたら、そこでやめたほうがいい。
道を踏み外さないでしっかり者だと思われている女性でも、実はトラウマを持っている人もいる。トラウマにはいろいろな原因があるが、たとえば幼い頃に母親から虐待を受けていたとすれば、いま・ここではなく、忌まわしい過去のその体験に意識が集中し、僕の言葉は聞こえなくなってしまう。
場合によっては、目の前にいる人を、レイプした男や虐待を加えた相手と思い込み、激しい抵抗を始めることもある。さらには、表情も声も変わり、まったく違った人格が現れることも......。だから、軽い気持ちではやらないほうがいい。無意識の領域をいじる、この呼吸誘導は何が起きても、愛をもって対応するという不動の心構えが求められる。つまり、催眠誘導しているあなたが動じないということだ。
彼女が過去のトラウマに意識が集中し、激しい抵抗を始めたり、表情や声が別人のものとなった場合、その呼吸は荒くなり乱れてくる。それまでの「ハァ、ハァ、ハァ」は、あえて表現するなら「アーハー、アーハー」に変わる(「アー」は息を吸い込むときの音)。しかも、本人には乱れた呼吸をコントロールできない。原因としては、襲ってくる
「192」
レベルのネガティブな感覚に感情オクターブが対応できないからだ。「自分が変になる」という恐怖感の中に彼女はいる。
もしもこういう症状が出たら、あなたが慌てることなく、彼女の手を握ってあげて、「呼吸をコントロールして。呼吸を自分の意識下に置きなさい。そうすると現実に戻ってくるから」と言い続けることが大切である。無意識の領域の中和されていない心の傷からのシグナルであることが多いから、前述のとおり自然呼吸へと誘導しながら、ハグをして安心感を与え、心身の苦痛が去るのを待つことが重要なポイントとなる。
そうして戻りはじめたときには「冷たいものでも飲んで」とすすめる。ちょっと飲み物を口に入れるだけで、彼女は現実に戻ってくる。戻ってきたら、「いま、何が起きたの? 話して」と訊く。きっと彼女はいま追体験した何かを話してくれるはずである。
注意事項とその対応を書いていたら、やはり長くなってしまった。エッチな部分にまで到達せずに申し訳ないが、それは
次回
ということでお許しいただきたい。
現場にて僕が呼吸誘導しているところ。女の子は欲情しはじめている。
テーマ :
日記
ジャンル :
アダルト
2009-10-30(11:26) :
週刊代々木忠
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