週刊代々木忠
いまこの瞬間の代々木忠の想いが綴られる
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第49回 雑記
このブログも、もうすぐ丸1年になる。どうにか続けてこられたのは、読んでくださっている方がいるからであり、それはとてもありがたいことだと感謝している。思い返せば、第1回目の冒頭で「この2、3年、そろそろ(AV監督を)やめようかなと思っていた」と書いた。「その理由はこのブログでおいおい書いていこう」とも。
1年を迎えるにあたり、それを記しておこうと思う。僕は、2003年から2008年までの5年間、鬱病にかかっていた。当時綴っていた「雑記」をいくつか抜粋する。もともと自分が自分であるために書いたもので、こうして人様にお見せすることなど、まったく想定していなかった。自分で見返すのもつらいものがあるし、おそらく読む人も気持ちいいものではないだろう。
にもかかわらず、あえてそれを載せるのは、今、僕らが暮らすこの国では鬱病やその予備軍がどんどん増えていると聞く。自分がなってみて感じるのだが、その症状とは、一言では表現できない"つらさ"だった。そして、なかなか人にもわかってもらえない。僕はおかげで去年の夏くらいから快復した。だから、こうしてブログも書こうという気になれたわけである。鬱病の原因は人それぞれゆえ、共通した処方箋など僕に書けるはずもないが、たとえヒントのかけら程度でもご提示できたなら、こんなにうれしいことはない。
●2004年3月某日
かれこれ一年、それは夕方近くになるとやってくる。
背中が痛い。息苦しくて、不安で、孤独で、寂しくて、悲しくて、微熱が続き、体がだるい。このだるさは自分のこれまでの人生では経験したことのないだるさだ。
形容しがたい苦しさ。
誰にも会いたくない。すべてがめんどくさくって......。
もがいている自分がいる。
何故こんなに苦しいのだろう?
●同年5月11日
久しぶりにこのページを開いた。
相変わらず背中と胸の中心が痛い。
息苦しさと微熱とだるさも相変わらず。
孤独感、寂しさ、強烈な不安感は少しだけ軽くなった。
ただ、編集の仕事に意欲が出ない。少しでもやらなくちゃ、と思うのだが......。
コンビニで何か食べ物を買って5階の編集室に入るか。
●同年8月3日
背中と胸の奥が息苦しい。つらい。けだるい。気分がふさいだままでどうにもならない。体全身がピリピリ、ビリビリ、ザワザワ、この感覚と感情は形容しがたい。
夏だというのに悪寒? 微熱? 今は誰とも話したくない。誰と話しても会話が弾まない。会話が流れない。
でも努めて明るく、T君や、ほかのスタッフとも話すようにする。が、うまく会話が流れない。まいった。こんな状態がいつまで続くのだろう。
もう一年以上も続いているというのに......解放されたい。I氏は何度も自殺を試みたという。死んで楽になりたい気持ちはよくわかる......。
明日から、千葉で撮影が始まる。しかも続けて3本撮り。どうなるのだろう。
たぶん乗り切れるだろう。今までもそうだったから。ウォーキングなどを始めたおかげで、体力的には自信がもてている。ただ、3人の出演者たちとの、精神的な「せめぎ合い」に手抜きが生じるのが一番怖いし、プロとして恥ずかしい。最近の作品にその兆候が見え隠れするのを感じている。
でも、なんとかしよう。なんとかなるさ!
こうして心の中の思いを文字にすることで、いくらか気持ちが楽になったようにも思える。
●同年8月某日
先月7月の30日に聡子が祖師谷のマンションに移り住み、K君との生活を始めた。
このことが治癒に向かっていた症状の悪化に追い討ちをかけていることも確かだ。......なんと繊細なことよ。
聡子の「ただいま~」の声をもう聞くことはない。わかっていることだが、K君の妻として遊びに来ることはあっても、聡子が私の娘としての関係でわが家に帰ってくることはない。
今朝、聡子の使っていた部屋をなにげなく覗く。奇麗にかたづき、生活感のなくなった部屋。
形容しがたい気分に襲われた。喪失感。やるせなさ。寂しさ。
先ほど飲んだ薬「デパス」が効いてきたのか、少しだけ気分が楽になったような気がする。
●同年10月2日
今日は聡子の結婚式だった。
おめでとう聡子。
あと何を書いていいのかわからない......。
●同年12月6日
イライラ感は多少やわらいだようだが、だるさは相変わらずで、睡魔が襲ってくるのにはまいった。
誰にも会いたくないという強い拒絶感も少し緩和してきた。
最近になって気づいたのだが、微熱の変化が出てきた。以前は朝35度前半で、夕方36度9分くらいになっていたのが、最近は朝起きて微熱を感じるので、計ってみると36度台の日が増えてきた。夕方から夜にかけても以前のように36度9分までは上がらない。が、咳は相変わらず完全には治らない。
9月から続く咳に先生も少し心配になったのか、先月、血液検査とレントゲンを撮った。結果に異常は認められなかった。少し安心。
だが、背中の痛みと胸の圧迫感や不整脈は相変わらずだ。
先週の木曜日に左側の耳に強い耳鳴りが起こり、家に帰っても治まらない。右の耳に指を突っ込んでみると、左の耳の音は完全に音割れしている。テレビでしゃべっている会話が音割れして、完全に聞き取れなくなってしまった。このまま聞こえなくなるのだろうか? 少々怖くなってきた。明日、病院に行こう。
あまり考えないようにして寝よう。それしかない。
朝起きるとウソのように治っていた。昨夜の音割れは何だったんだろう?
明日とあさっては休みを取ることにした。編集のほうも今はないので、会社にいてもやることがない。これはつらいです。パソコンを見るか、日記を書くか......。
ひたすらだるさとの戦い......。明日はプー(筆者注:愛犬の名)と昼寝です。
今、家族では昌美の咳が一番ひどい。病院で検査をしてもらうように勧めるが、なかなか行かない。
●同年12月14日
今日は昌美23歳の誕生日。早いものです。
昨夜は熱もあまり上がらず、気分も良好だった。今日も今までで一番いいかもしれない。
少し休養を取ったのがよかったのか、プーの存在が大きいことは確かだ。このまま快方に向かってくれるとうれしい。
昌美にプレゼントする花を買いに行ってくるかな。
抜粋したのは「雑記」の一部、2004年の3月から12月の何カ所かである。3月にも書いているように、この1年前から鬱は始まった。12月の記述では、体調も少しよくなり、下の娘のことを気にかける心の動きも芽生えてはいるものの、快復までにはここから約3年半近くを要することになる。
次回は、鬱の中でもがき苦しんだ僕が何を考え、どのように動いたかを記していきたいと思う。
編集室にすわると、もう動けなかった。
トイレも誰か代わりに行ってもらいたいくらいに。
テーマ :
日記
ジャンル :
アダルト
2009-11-20(11:03) :
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