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第69回 香港珍道中

 先週の13、14、15日と2泊3日で香港に行ってきた。かつては頻繁にヤップやサイパンに出かけていたが、このところ千葉が癒しの地になっていたので、海外は実に4年ぶりである。

 今回の香港はいちおう仕事である。といっても、海外ロケというわけではない。去年、コンテンツ・ソフト協同組合の代表理事を務める齋藤さんから「香港大学で講演しないか」と誘われた。忙しかったのもあり「来年になって都合がつけば......」と僕はとりあえず断った。これでもう講演依頼は来ないだろうとタカをくくっていたのである。

 講演というのは、どうも一方的に話すみたいで、僕は苦手である。聴く人々はもちろん事前に演題を見て来るとしても、大くくりのテーマだけでは僕の話す内容が、果たして本当に聴きたいことなのかどうかもわからない。ましてや、香港の学生たちが何を期待しているかなど、僕には到底わからない。

 ところが、齋藤さんは忘れておらず、先月会ったとき「監督、4月でどう?」と言う。香港大学で日本文化を研究されている王向華先生という人がいて、日本の現代文化の中の「性」について講演してほしいということらしい。王先生と齋藤さんをつないだ明石さんという人にも僕は会うことになった。明石さんは元新聞記者だが、会ってはじめて、ある老舗AVメーカーの社長をしていた明石さんの実兄であることがわかった。

 どういう話をすれば学生たちが興味を抱くかを、事前に王先生ともある程度すり合わせるということで、僕は講演を引き受けることにした。社会人類学者である王先生はオックスフォード大学で博士号を取り、香港大学ではいま文学院学院長をされているというから、どうやら偉い人らしい。

 しかも、香港大学がどんな学校かをネットで検索してみたところ、イギリスのある教育情報会社が発表した2009年版の「アジア大学ランキング」というリストを見つけたのだけれど、それによれば、1位...香港大学、2位...香港中文大学、3位...東京大学、4位...香港科技大学、5位...京都大学、と続く。これは偏差値だけで決めているわけではないようだが、それにしても大変な場所で講演をすることになったなぁと僕はとても気が重くなっていた。

 こうして、齋藤さん、明石さんと3人で、僕は香港に出かけることになったのだが、早朝、出国の成田税関で早くも一度目のハプニングは起こった。2泊3日の出張なので荷物は大して多くない。それに預けてしまうと、荷物が出てくるまで2人を待たせることになる。なので、僕は荷物を全部機内持ち込みにした。他の2人も同じことを考えたようだ。

 ところが、X線検査で僕の荷物が引っかかる。ヘヤスプレーと筆箱の中の小さなハサミだった。この場でそれらを放棄するか、それがイヤならJALのカウンターに戻って、長い列にまた並び、機内に預ける手続きを取らなければならない。僕は放棄のほうを選んだ。"危険物"のなくなったバッグのファスナーが閉められ、受け取ろうと僕が手を伸ばしかけたそのとき、バッグはまたX線検査に戻される。

 放棄したのに何故また通すのだろうと思っていると、2回目の検査も引っかかった。今度は寝ぐせ直しウォーターだ。いくらテロ対策とはいえ、こんなものまでダメなのか。でも、まぁ、寝ぐせくらいイイやと思うことにして、放棄した。

 3回目、今度はシガーカッターがダメだと言う。シガーカッターとは、葉巻の吸い口を切るための小さな道具だ。カッターといっても、刃が剥き出しになっているわけではなく、葉巻の先端をその中に入れないかぎり切ることはできない。

 こんなものがどうやって凶器になるというのだろう。さすがに頭に来た僕は、草食系とおぼしき若い男性職員に「なんで、こんな小さなシガーカッターがダメなんだ?」と詰め寄った。すると草食系は「他の乗客の指を切ることができますから」と言う。は? これで指を切る? 「もしも本気で指を切るつもりなら、こんなものをわざわざ持ち出して、抵抗する乗客の腕をつかみ、力ずくで指をこの小さな穴に入れて、刃を閉じるよりも、口で噛み切ったほうがよほど簡単だろう」と言ってやった。続けて「君、この作業に矛盾を感じないの?」とも。すると、彼は「多少......」とだけ答えた。

 寝ぐせはあきらめるとしても、僕はこのシガーカッターだけは放棄したくなかった。香港の夜景にひたりながら、シガータイムを楽しみたかったのだ。うーん、出発の時間は迫っていたが、僕はJALのカウンターに急いで戻ることにした。

 その頃、齋藤さんも引っかかっていて、先に無事通過した明石さんは、僕たち2人がいつまで経っても出てこないので、何かヤバイ物でも持ち込んで、別室に連れていかれたと思ったらしい。そうなると、予定の飛行機には乗れない。王先生から直接依頼を受けたのは明石さんだが、この飛行機に乗れなければ今回の講演に穴をあけてしまうと、頭を抱えていたようである。

 結局、飛行機にはなんとか間に合ったものの、最初からこの調子で、明石さんならずとも、僕は先が思いやられた。ちなみに、夜のシガータイムにだけちょっとふれると、僕たち3人が泊まった香港大学内の来賓宿泊施設は全館禁煙で、もっというと広大な大学講内がすべて禁煙なので、せっかく苦労して持っていったシガーカッターも、まったく使う機会はなかったのだった......。
(つづく)

テーマ : 日記
ジャンル : アダルト

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